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WWOOF(ウーフ)という選択肢

do you know wwoof ウーフ
do you know wwoof

わたしがWWOOF(ウーフ)の存在を知ったのは2011年。
カナダへワーホリに行く準備中のことだった。
労働の対価として(衣)食住を提供してくれるという。つまりタダで暮らせるも同然。
その代わり賃金は発生しない。

実際にウーフをするまでの、お話。

WWOOF=ウーフって何?

World Wide Opportunities on Organic Farmsの頭文字をとってWWOOF(ウーフ)。
直訳すると「世界に広がる有機農場での機会」、つまり世界中のオーガニックファームでの生活や体験の機会ということだ。
ウィキペディアによれば1971年にロンドンで設立され、その後多くの国に広まったそうだ。
今の今まで全然知らなかったのだが、調べてみたら日本にもWWOOFの組織があった。
各国にWWOOFの組織があるので、いくつかリンクを載せておきます。

ウーフの最大の特徴はお金のやり取りが発生しないこと。
農家側(ここでは「ホスト」とする)は食住を提供してくれて、お手伝いをしたい人(ここでは「ウーファー」とする)はそのお返しに農業のお手伝いをする、というシンプルな仕組み。
WWOOFジャパンのHPにはいろいろ書いてあるが、要はホストとウーファーの需要と供給が合致すれば交渉成立というわけである。

今は田舎への移住や農業体験も人気があるから、ウーフでなくても似たようなサービスやコミュニティが存在するのかもしれない。

ウーフを知った時、わたしは2度目のワーホリの準備をしていた。今回はカナダへ行く。
2度目という事もあり、留学エージェントなどは利用せず全て自力で準備をするために、夜な夜なネットサーフィンをしている時に本当に偶然出会ったのがウーフだった。

当時は「オーガニック」や「サステイナブル」という言葉が使われ始めたタイミングで、兼ねてから田舎暮らしに興味があったわたしは、これだ!と思いウーフの仕組みを使うことにした。

ウーフを選んだ理由

すでにカナダへワーホリを決めていた中で、その内の2か月間の過ごし方にウーフを選んだ理由は大きく2つあった。

1つ目は、支出することなく海外での生活ができる。
2つ目は、田舎でのんびり過ごしたい。
この2点である。

1度目のワーホリはオーストラリアへ行った。
その時の経験をもとに、こうしたらもっと充実したワーホリになる、という気づきが沢山あった。
だから、今回の2度目のワーホリを成功させるために、無駄な支出は減らしたかった。
加えて、2度目のワーホリでは少しのんびり過ごしてリフレッシュしたかった。
というのも、それまで日本で社会人としてとても忙しく働いていたから、都会から離れ自然に囲まれた環境でのんびり過ごしたい、とも考えていた。

どうやってウーファーになる?

ウーファーになるには各国の組織に登録して会員になる必要がある。
費用はそれぞれだが、1年で数千円程度。継続すると多少ディスカウントが受けられるようだ。
もちろんホスト側も登録が必要である。この登録をすることで、秩序が保たれているのだろう。
何といっても賃金が発生しない、とても原始的な物々交換の仕組みに近い。
トラブル回避のためにも、組織への登録が必要だ。

会員になると、その国のどこにどんなホストがいるのか調べることができる。
正しくは、WWOOF CANADAの場合は会員にならなくてもどこに、どんなホストがいるのかは調べることができる。
しかし、詳細情報や実際にコンタクトをするためには会員にならないとできない。

ウーフができる場所や、どんなホストなのかを調べていく中でバンクーバー近郊のsatuna island(サターナ島)という小さな島のオーガニックファームで、ウーフの募集があることが分かった。
早速コンタクトをとる。会員サイトにログインし、ホストのメールアドレスを確認し、ここからは直接交渉だ。組織が仲介してくれるわけではない。
カナダのホストにコンタクトをとるのだから、もちろん英語だ。

早速、メールで連絡を取ったところ、簡単な自己紹介とウーフをしたい理由を簡単に教えてほしいとの返答があった。
ホストはカナダ人だったが、世界中からウーファーが訪れるのでメールの英語が完璧でないことは特に気にしていないようだった。
レビューを見ると過去に日本人がウーファーに来ていたこともあるようだった。

わたしは簡単な自己紹介とウーフをしたい理由を素直にメールで伝えた。
「自然に囲まれたオーガニックファームに興味があり、農業も体験してみたい」と。

どんな理由でこの質問をしてきたのかは分からないが、多少の英語の理解ができることや、怪しい人物でないことを確認していたのではないだろうか。
数回のメールのやり取りを経て、数日後には大まかなスケジュールが決まり、晴れて人生初のウーファーになることが決定した。

ウーフをする上で気を付けること

ウーフの仕組みはとても素敵なものだと思う。
わたしの場合は不満を感じるような出来事もなかったのだか、すべてのウーファーがわたしと同じではないようだ。

バンクーバーで偶然出会った友人Sは、同じくバンクーバー郊外にあるSaltspring Island(ソルトスプリング島)でウーフを経験していた。
ソルトスプリング島はヒッピー文化が残るというか、アーティストも多く住んでいることで有名な島で、バンクーバーからもツアーがある。歌手のUAさんが住んでらっしゃるとか。

友人Sのホストは、最近農業をするためにソルトスプリング島に移住をしてきた若いカップルで、まだまだ農業が軌道に乗っておらず、日々の作業量は多いうえに残念ながら農作業の場以外での交流は少なかったと言う。
そのファームには他のウーファーがおらず、ホストとの交流も少ないのでなかなか退屈で寂しかったと言っていた。

また、カナダの建国記念日にサターナ島で行われたイベントで偶然出会ったウーフ中のスイス人は、作業内容が牛や羊の解体などショッキングで慣れないものが多くツライと話していた。

どの場合も、誰かが悪いということではなく、それがそのホストのウーフスタイルだったのだと思う。
ホストの望む作業とウーファーが希望する作業の不一致だったり、ホストがウーファーに求めていたのが農業体験だけだったなど、ウーフの仕組みに合っていなかっただけなのだ。

上に挙げたような例もあるので、事前のリサーチをしっかりする必要がある。
事前に確認することとしては

  • 作業内容や拘束時間、休日など
  • 食事はどんなもので、誰が調理するか
  • 休日には何ができるか、周辺の環境など
  • 住居はどんなところか、持参が必要なもの

可能であれば、過去にそこでウーフをしたことがある人のレビューや体験談を確認するのが一番いい。
わたしの場合は、ホストのサイトに過去にそこでウーフをした人たちからの感想やメッセージが載っていたからそれがとても参考になった。

生活を共にすることで、表面的なことだけでなくカナダ人の日常生活のよりディープな部分を体験することができるし、会話から彼らの人生観や歴史などに触れることもできる。

これから海外生活をしたい!と考えている人には、是非ウーフも選択肢に入れてみて欲しい。
アルバイトをして過ごすよりも、濃厚な時間になること間違いなし。
特に、都会生活に疲れた時に自然の中で過ごす時間は最高の癒しになる。
青い空、白い砂浜、緑の木々。
ウーフ、おススメである。