ワーホリと留学。似ているようで全然種類が異なるビザです。
とは言え、ワーホリに行って語学を勉強する人も多いはず。
わたし、この存在をつい最近知って驚きました。
どうして学校でこういうことを教えてくれないんだろう?って。
この存在とは「第二言語習得論」。
英語を含む第二言語を習得するとき、人間の理解がどのように進むのかについて書かれています。
もう私は目から鱗でした。
第二言語を習得するステップを理解する
長期間、海外に滞在し働くことも学ぶこともできるワーホリ。
「海外で生活すれば自然と語学力も上がるはず」と考える人もいるかもしれませんが、それは半分本当で半分嘘です。語学の習得はそんなに簡単ではないです。
その証拠に、中学1年から何年間英語を勉強していますか?
ちょっと堅苦しい話ですが、第二言語(日本人の場合は日本語以外の言語)習得に関する面白い記事があったので紹介します。
これは第二言語習得論(SLA)と言って、どのように外国語を習得していくのかの研究です。
その中でもとくに有名なのが、Susan M. Gass(1997-2013:ミシガン州立大学の名誉教授で第二言語習得の専門家)が発表した認知モデルというものです。
『第二言語学習者がインプットをアウトプットに転換できるようになるまでの間には
「Noticed Input(気づき)」
→「Comprehended Input(理解)」
→「Intake(内在化)」
→「Integration(統合)」
という4つのプロセスがある』というのです。
(わたしなりに)かなりかみ砕いて説明します。
まずは最初の「気づき」。
英語環境で生活することで、周囲から聞こえてくる言語は英語になります。しかし、それは聞こえているだけで、意識的に「聴いている」状態にしない限りは風の音が聞こえているのと同じということです。ここが一番最初のインプットです。
次に「理解」ですが、意識的に英語を「聴いている」状態、インプットを続けていくと、例えば最初はアポ―にしか聞こえなかった単語が、ある時「apple」に聞こえるようになる、という事です。(正確には理解にも浅い理解と深い理解の二段階がありますがここでは割愛します。)
そして「内在化」。これはそのappleが日本語ではリンゴである、という事を理解し、自分の理解できる単語として自分にものにして定着させる、というような段階です。
そして最後に「統合」。最終的にはそのappleの単語を使って自分で文章を組み立てて、英語の文章としてアウトプットできるようになる、という事です。
英語環境で生活することで、最初のステップの「気づき」のインプット量は劇的に増えますが、自分で意識的に「聴いている」状態にしない限りは、いくら英語のシャワーを浴びても、それは風の音にしかならないのです。
原文はもちろん英語なので、日本語で書かれている本だと下のようなものがあります。
ワーホリで日本人に人気の国、特にオーストラリアやカナダなどには日本人も多く、日常生活であれば簡単な英語と日本語で生活はできます。 ペラペラでなくてもさほど困りません。
ワーホリで語学力を劇的に伸ばしたい場合、己を律し意識的に英語と向き合って生活する必要があります。そうなるとアルバイトとの両立はなかなか難しそうですね。
語学の為だけならわたしは留学をおススメします。
語学の上達が目的でワーホリに行きたい、という人は多いです。
ここではその語学が英語だと仮定して話を進めます。
わたしがオーストラリア、カナダと2か国ワーホリに行って出会った日本人のうち8割はその目的で来ていました。その人たちがどの程度の語学力アップを求めていたのかまではわかりませんが、語学力が劇的に伸びた人には出会ったことがありません。
なので、もし語学の為だけにワーホリを検討している人がいるのであれば、留学を検討したほうが良いと思います。
基本的に、ワーホリのビザで通えるのは語学学校と言われる学校で、大学などではありません。
今一度思い出してほしいのですが、ワーホリはホリデーなのです。
海外で学校に通い勉強すること、それは留学と呼びます。
留学にも種類があるので、語学力アップのための語学留学から、ビジネスなどの専門的なスキルを学ぶ専門留学、4年制の大学へ進学する進学留学など様々です。
ワーホリと違い、行き先や滞在期間に制限はなく、年齢や回数も自由です。
最近は社会人留学も人気があります。
30歳を超えてしまうと行きたくてもワーホリには行けないので留学するしかないのですが。
何より、同じ目標を持った仲間が集まっているので、仮に日本人同士だったとしても英語で会話をするなどして、語学力アップに集中できるでしょう。
そしてコスパを重視するなら、オンライン留学もあります。
今は本当に便利な時代なので、自宅に居ながらオンライン留学することも可能です。こちらはリーズナブルな価格で、時間も場所も選びません。
ネットを通じて日本の自宅から海外の学校の授業を受けたり、他の留学生と交流したり、留学同様の体験ができます。自宅留学とかバーチャル留学と呼ばれることもあります。
もし、あなたがワーホリに行きたいと考えている理由の1番目が語学であるなら、勉強に専念したいなら、ワーホリのビザではなく、留学や、オンライン留学やオンライン英会話など別の方法を検討するのもいいかもしれません。 語学を習得した先に、海外生活や海外就職をするという順番もありますよね。
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