2022年7月31日夜(現地時間)アメリカ・シカゴで開催された音楽フェスティバル
Lollapalooza(ロラパルーザ)にBTSのメンバーであるj-hopeがソロで出演、トリを飾った。
わたしは日本から画面を通じて見ていましたが、現地の熱狂はすごかったと思います。
個人的な感想を忘れないうちに。
1時間のパフォーマンスに彼の生き様を見た気がした
大感動。約1時間のパフォーマンスを一言で表すならばそれ以外の言葉が思い浮かびません。
彼一人で演じているとは思えないほどの、ものすごい熱量。
歌う、踊る、駆け回る、信じられない数の観客も巻き込み現地ではうねりが起きていたと思う。
ここまでの道のりは決してスムーズなものではなかったはず。
相当なプレッシャーと試練の中で満足に睡眠もとれず、食欲も減退し
見てすぐにわかるくらい痩せていました。6キロ体重が落ちたと言っていた。
それなのに。
彼がステージに上がってきた瞬間の表情は、闘争心剥き出しの獲物を狙っているかのような鋭い目で、音が鳴った瞬間、彼は激しく歌い踊る。その姿を見て、覚醒したと思った。
なぜならBTS7人の中で歌い踊るj-hopeとは全く違う姿だったから。
BTSは2022年6月に今後はソロ活動に重きをおくと発表。
そしてj-hopeはそのトップバッタ―となったわけです。
9年もの時間をグループで過ごし、突然1人でしかもアメリカの大きな音楽フェスのトリを務める。
そこには想像できないほどの、期待と不安があったことは容易に想像できる。
BTSとj-hopeとJack In The Box
2022年7月に発表したj-hopeのソロアルバム「Jack In The Box」は、それまでのj-hopeのイメージとは大きく異なるダークでヘビーな雰囲気をまとっている。
インタビューの中で彼は「それまでの僕やBTSを支えてきたのは明るくて快活で前向きはj-hopeだった」と言っています。(3分50秒当たり)
彼はそれまで一貫して、みんなの希望であり明るいキャラクターとして認識されていたけど、彼自身にはそれ以外の一面があることをこのアルバムを通じて表現したということ。
人生とは、楽しいことも嬉しいことも悲しいことも悔しいことも、日々様々なことが起こる。
顔では笑っていても、心は泣いている。大きな決断をしたり、自分の選択に後悔することもある。
j-hopeの名前の由来はパンドラの箱にある。
その箱を開けると災いが起きるというものだ。その箱からあらゆる邪悪なものが飛び出し、最後に箱の中に残ったのが希望だった。
彼らがグループとして大きな成功を収めたのは周知の事実だし、その裏には想像をはるかに超える努力があるのは有名な話。
彼らを語る上では「花様年華」というエピソードも無視することはできない。
今回の、BTS chapter.2のお知らせからここまでの道のりを思い返すと、j-hopeが背負ったものは本当に大きかったと思う。恐怖に満ちた瞬間が次から次へとやってきた、と彼は言っている。
インタビューの中で発言がある通り、chapter.2に進むために意図的に大きく基調を変化させ、しかもそれまでの数多くの経験に基づいて自分にできる音楽や感情を表現してみた、と。
変化は簡単なことではない。それまでの安心を手放すようなものでもある。リスクも伴う。
それでも。それでも彼は高みを目指し、この挑戦の船に乗った。
彼らはいつだって、大きな影響力がある今だって、自分が世の中や世界に対して何ができるのか、でもただの普通の人間で、こんな大きな役目を全うできるのだろうか、そんなことを素直に発信する。
今回のアルバムのビジュアルでもピエロの帽子かぶって、僕はピエロだったんだと言っているようにも思えるし、ダークなムードからも希望だけではない側面がある、と言っているように思える。
Jack In The Boxを発表するにあたり、すべての作業に積極的に関わって制作をすすめてきた。それは自身のこの先の音楽人生において自分一人の力でリードできるアルバムがあとどのくらいあるだろうかと思った結果、自分でリードするアルバムを作ってみたいと思った結果だ。
楽曲に限らずMV、衣装、ビジュアル、アルバム制作の全体に積極的に関わり、自分の本質に近い音楽を作り上げた。アルバム制作の作業と並行しプロモーションも行い、タイトなスケジュールをこなす中での今回のロラパルーザ出演。
j-hopeのメッセージ
観客の多さから彼のステージに対する期待の大きさがうかがえる。
ドローンが空から移すあの映像、いったい何人が彼のパフォーマンスを見たのだろう。
ステージに出てきた瞬間から、圧勝だった。完全に会場を制圧していた。
体重も減り、睡眠もままならないほどに追い込まれていたとは到底思えないパワーを、1時間休むことなく放出し続けた。
本気で勝負していた。
それまで長年7人でステージに上がっていたのに、突然1人で舞台に上がることの緊張や恐怖、期待や興奮、様々な思いが交差していたと思う。
2年をかけて、グループ活動と並行しながら、”j-hope”と自身の自我で葛藤して作り上げたアルバム。
それを完成させた自信、周りからの評価、ARMYからのリアクション。
多分、本人も感情がパンクするほどの状態だったのではないかと思う。
ステージでは歌う、踊る、ちょっと踊るとかじゃなくて本格的に1曲踊る、ステージを左右に走り回る。
バックバンドをたずさえ、激しいビートにのせシャウトしたり、高速ラップを披露したり、英語でメントもこなす。完璧なパフォーマンスだったし、何よりエンターテイメントとしての完成度が高すぎた。
あの有名なDynamiteを別の振り付けで踊るなんて!!!期待の斜め上だった。
彼はライブのパフォーマンスを通じても、アルバムを表現していた。
彼(ら)がこれまでの活動と通じて感じた事、グループでの役割、個人でできること。
Jack In The Boxはアルバムを通したストーリ仕立てになっている。シャッフルで聞くことも多い時代に、これも挑戦だったはずだ。
彼らはいつだって誠実で真面目だ。
彼らを語る上でよく出てくるワードである花様年華。
花様年華は「人生で最も美しい瞬間」を意味する言葉だ。人生で最も美しい瞬間と言うと、一般的には青春時代(10代20代)を表すことが多いが、もしかすると彼らが教えてくれる花様年華は人生はどの瞬間を切り取っても花様年華だ、と言ってるのかもしれない。
「美しい」というのは良いことだけを表現するのではない。苦しいことも含まれる。
もしかすると、美しいかどうかはその時はわからないのかもしれない。
j-hopeが包み隠さずに見せてくれた、アルバム制作からロラパルーザ出演までの過程は本当に本当に大変な道のりだったと思う。
ロラパルーザ出演を終えた今、彼の血となり肉となったその過程の全ては彼の自信となり、恐怖から美しいもへ昇華していてほしいと思う。
いつでも己の人生を諦めることなく正面から進んでいく眩しいほどの彼ら。
今回見せてくれたすべてのものに心から感謝し賞賛をおくりたい。
ライブ映像が再配信されることを願っていますが、現時点では公式のものはありません。
なんと。ライブから2日後。Youtubeでフルレングスでライブが見れるようになりました。
もちろん無料。すごい。思う存分楽しめます。
このパフォーマンスは多くのメディアでも取り上げられているので、下にリンクを貼っておきます。
billboard.com
NME
vulture.com
ORICIN.NEWS
ELLE Japan
Rolling Stone JAPAN
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